本日は、日本を代表するベッドメーカーである「ドリームベッド」についてみていきたいと思います。
ドリームベッドの創業者と歴史
ドリームベッド社は、1950年に広島で創業しました。
創業者は故・渡辺礼市氏。
広島といえば、忘れてならないのは、昭和20年8月6日の原爆投下の日です。
その時、彼は、広島市西区に住んでおり、爆心地の中区からは少し離れた場所で、何とか命だけは助かりました。
そして彼は、助かったことに感謝し、社会奉仕として、当時の引揚者や戦災者たちに職場を提供するため、市内中心部の練兵場跡にあった建物を借り、社会復帰を支援する活動を始めました。「第一授産共同作業場」と呼ばれたそこでは、400余名が働き、下駄や草履の鼻緒・ ミシン作業・木工作業、教材や生活用品など、多くのものが作られました。
戦後すぐに、天皇陛下が広島に来られた際には、この工場にも立ち寄られました。
ドリームベッドと天皇陛下
その際の記録が残っていますので少しご紹介します。
工場内では、多くの同作業場従業員や社会事業関係者、広島母子寮員、開拓団代表、子供達等、多くの人が出迎え、彼が案内しました。
陛下は、社会事業関係者の前では「しっかり社会奉仕を頼みますよ。」と、一人一人に帽子をとってご会釈になられ、開拓団体には「いろいろ困難な事もあろうが食糧増産のためしっかりやって下さい。」とご激励、戦災者、引揚者などの生活困窮者400余名が働いている同授産所の鼻緒工場、ミシン補導所、木工工場製作品陳列所をご視察になられました。
工場で働く、とある母に連れられた子を祖父が紹介すると、陛下は「しっかりやってね。」と、お言葉をかけられました。
「私が場長渡辺礼市でございます。只今から御先導申上げます。ここに陳列致しておりますものは当授産所の製作品でございます。只今従業致しておりますものは約400名でございましてその内で約20名がこの場で働いております。
自宅で内職として働いております者が約280名でございます。その大部分は戦災者と引揚者でございまして一部の生活困窮者も働いて居ます。これらの従業者の収入を申上げますと技術者で多く取ります者が1日百七八十円でございます又少ない者が未経験の者で1日四十円位でございます平均いたしまして1ヶ月千七百八十円となっているのでございます。 」
また、陛下をお見送りした祖父は、次の様に語っています。
「天皇陛下には、中国地方御巡礼遊ばし、同授産場にご来臨遊ばされ、喧騒極まる塵埃の屋内作業現場の実情及び製品を御覧遊ばされ、一々御激励御慰労の御言葉を賜りました。陛下の御温情溢るる御英姿御仁愛の御言葉に接し、一同感涙に咽ぶ次第であります。私達、援護生産の事業に従事する者は、今日の善き日を記念し、更に業務に精励いたしまして平和国家建設に微力を盡す決意であります。」
ベッド作りのはじまり
そして、その後、日本に駐留していた米軍・オーストラリア軍の宿舎で使用されていたベッドやマットレスの修理が、この作業場に持ち込まれたのが、ベッドづくりの始まりでした。
彼は、これから日本人の生活が西洋化してゆき、ベッドが日本人の一般家庭に普及していくことを予期していました。「寝心地のいいマットレスを日本でも普及させたい」という創業者の想いが、そのはじまりです。
1957年(昭和32年)1月に、株式会社広島ベッド商会を設立。同年(昭和32年)7月、広島ベッド商会の製造部門を分離して、ドリームベッド株式会社を設立致しました。
社名は当時、新聞で公募した商品名からつけられました。夢(ドリーム)に希望を託しました。
以来、自社製造にこだわり、デザインから製造までを一貫して行なってきました。
ドリームベッドの成長と国際化
ドリームベッドは、当初、製造部門として、ドリームベッド(株)、ドリームファニチャ(株)、ドリーム化工(株)など、また、販売部門として、エッチビードリームベッド(株)やドリーム特販(株)など、グループ企業に分かれていましたが、2003年にはグループ企業が統合しました。
また、自社ブランドの他、アメリカの「Serta(サータ)」、ドイツの「RUF(ルフ)」、フランスの「ligne roset(リーン・ロゼ)」など海外ブランドも、ライセンス契約により、単なる輸入ではなく、国内自社工場での生産をおこなっています。
輸入家具としてではなく、ディティールにこだわりながらも日本の生活様式や環境に合わせ微調整した高品質なオリジナル製品を生産することができるのです。
こうした技術提携により、海上運賃や通関などの輸入コストが抑えられ、リーズナブルな製品提供やスピーディーなアフターサービスを実現するとともに、長年培ったノウハウや技術を生かした質の高いモノづくりで、「快適で美しいくらし」を提供しています。
ドリームベッドの今後
現在は、本社のある広島の他、東京ショールームや大阪ショールームを構え、工場は広島県内に4箇所、全国に営業所、関東に物流センターなど、全国に展開し、2021年には東証二部に上場。
ベッドを中心に、寝室からリビングなど、新たなライフシーンを演出するインテリアアイテムを製造・販売するグローバル企業へと発展しています。
ドリームベッドは、これからも夢をはぐくむひとりひとりに、「快適で美しいくらし」を提供するため、常に時代の先を読み、お客のニーズに応えられる新たな「空環」を創り続けていきます。
これからも、ドリームベッドの活躍を応援したいですね。
※「サータ」については、下記のページもご参照下さい
ドリームベッドの高級ホテル向けラインナップ
最後に、ドリームベッドが現在製造している主力ブランド、アメリカの「Serta(サータ)」の中で、特に、高級ホテル市場向けに流れているラインナップを、少し紹介しておきたいと思います。
- ポケット標準タイプ
大手ホテルの一般客室向けに最も多く納入されているモデルです。表面に「ピローソフト仕様(片面or両面)」をプラス出来ます。
- ポケットハードタイプ
こちらも大手ホテルの一般客室向けに多く納入されています。「標準」よりも少し硬めになります。表面に「ピローソフト仕様(片面or両面)」をプラス出来ます。
- ライトブリーズピローソフトホテル
大手ホテルのスイートルーム向けグレードの最高級ホテルベッドです。オールスイートがコンセプトの高級ホテルでは全室に納入されている事例もみられます。
- パーフェクトスイート
「ライトブリーズピローソフトホテル」と同様、大手ホテルのスイートルーム向けグレードの最高級ホテルベッドです。立体ピローソフト仕様で、雲の上の寝心地を実現しています。
- グランドプレミアムホテル
「グランドプレミアムホテル」は、トランプタワーをはじめ、世界の最高級クラスの五つ星ホテル (さらには七つ星ホテル) 向け、しかもスイートルームのみを対象に設計されたハイエンドなモデルです。
ホテルのグレード、客室のグレード、各ホテルのコンセプト等によって、差別化できる様、複数のラインナップが用意されています。いずれも、広島のドリームベッドの工場で製造されている、アメリカ「Serta(サータ)」のブランドで、高級ホテル市場向け限定の、普段は、一般の小売店では販売されていない高級モデルです。(ネット上で「一流ホテルのベッド」のサイトのみで販売されています。)
まとめ
検査の厳しいプロ仕様の高級ホテル業界で昔から広く認められているというだけでも、ドリームベッドの技術水準の高さがおわかり頂けるかと思います。皆さんも、ぜひ、ご家庭向けとして、ご検討なさってみては如何でしょうか。
最後までお読みいただき有難うございました。
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◇ご参照 ホテル客室必須アイテム ;
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ベッドスプレッド サータ 和室 ベッド ベッドスロー
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